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今年の夏、最高にエキサイティングな“お祭り”が東京・東京芸術劇場 プレイハウスでブチ上がる!

常に良作を生み出し続けるパルコ・プロデュースと、誰も追いつけない速度でシーンの先頭をひた走る根本宗子、そしてアイドル戦国時代において独自の存在感を放つGANG PARADE(通称ギャンパレ)が三つ巴となって送るコラボレーション公演『プレイハウス』が8月25日より上演されるのだ。

この刺激的な顔ぶれに加え、磯村勇斗、栗原類、鳥越裕貴など男性陣も強力なメンバーが参戦。フェスより熱い根本宗子流ミュージカルがプレイハウスを熱狂の“遊び場”に変える。

私はお祭り女だと思われているんだなと思いました(笑)

——根本さんにとっては今回、パルコとの初タッグです。

硬派な企画からエンタメっぽいお祭り感のあるものまで、幅広くいろんな公演を手がけられていて、ちゃんとどれも面白いっていうのが私の中でのパルコさんのイメージで。自分が呼ばれるときは、どっちの感じで来るんだろうとひそかに思っていたんですよ。

そしたら、パルコさんから「夏っぽいお祭り感のある感じで」ってオーダーをいただいて。あ、私はお祭り女だと思われているんだなと思いました()。

——お祭り女(笑)。

そろそろパルコから来るんじゃないかと構えていた部分はあるので。(笑)

ちゃんとこれまでいろんな劇場を踏んだ上でのプレイハウス。今までやってきた経験値を活かせればいいなと思っています。

——「夏っぽいお祭り感」というオーダーから今回の企画を思いついたのは根本さんですか?

そうです。パルコさんから何かありませんかってお話をいただいて。私の方から「ギャンパレでミュージカルがやりたい」と企画を出しました。今、私が本当にやりたいことを実現させてもらえたので、その分、すごく思い入れも強いです。

普通の女優さんではできないものができる気がする

——Twitterでもギャンパレと演劇をつくることに対して「かなりワクワクしてます!」とつぶやかれていました。根本さんのギャンパレ愛を聞かせてください。

もともと旧BiS(※1)が好きで、そこからWACK(※2)のアイドルをずっと追いかけていて。ギャンパレもできたときから見ていたので、メンバーが増えたり減ったり、いろんなことを経て今の10人体制になっているドラマの部分も好きで。勝手に想いがありすぎて曲聴いただけで泣いたりとか。

の上で、ギャンパレのすごいところは、チーム感と成長スピード。わかりやすいところで言うとダンスなんですけど、全員で揃える意識が強いと思うんです。

アイドルって、未完成なものを楽しむみたいな文化もあるけれど、彼女たちに関してはちゃんと全員でパフォーマンスをお客さんに見せようという意識がすごく高い。そういう意識を持っている人と演劇をやったら、きっと「何かやってやろう」という気持ちで取り組んでくれるんじゃないかなと思ったのが、ギャンパレとやりたいと思った理由のひとつです。

——いわゆる女優さんとは違うわけですが、役者業を本職としていない人だからこそ何か違うものが出てくるんじゃないかという期待もありますか?

それはあります。自分の中のエモーショナルさをフルで体現できる女優さんというのは、私の中ではかなり限られていて。ギャンパレのライブを観たときに、彼女たちは技術じゃないところでそれを出してくれそうだなって思ったんです。

もちろん技術でエモーショナルさを出せる女優さんもたくさんいるんですけど、技術がある人とやりたい作品と、技術じゃないところでそれをやろうとする熱量重視の作品があって、今回は後者。普通の女優さんではできないものができるんだろうなっていう期待があります。私も彼女たちもどこへ行くのかはわかってない。

——そこに、先ほどおっしゃった歌とダンスというようなパフォーマンス力も活かされるだろうと。

そうですね。みなさん人に何かを見せることのスキルとモチベーションはとてもある方たちなので。

ただ、今回は歌割りも振付も普段彼女たちがやっているのとはまったく変わります。中にはいつも10人で歌っている曲をひとりで歌うこともあるかもしれない。そこはまたひとつ新鮮に楽しんでもらえると思います。

——いわゆるミュージカル作品は初めてですよね。根本さんがつくるミュージカルがどんなものになるのかすごく気になります。

今回は、ギャンパレの楽曲をミュージカルアレンジするので、それがどんなふうになるかは私も未知数です。ダンスもMARIEさんのステージング本当に楽しみです。

グループの曲を使ってミュージカルをつくるというのは、過去を振り返ると失敗例も多いわけですよ。やっぱり既にある曲にストーリーを無理矢理つなげていくと、作品としては楽しくても、ストーリーとしたらちょっと無理が起こりがち。今回はそうならないようにかなりいろんな準備を経てこの公演に至っているので、そのあたりはぜひ楽しみにしてもらいたいなと思います。

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磯村さんは、真ん中に立つのにピッタリの役者さん

——そこで気になるのが今回のストーリーです。歌舞伎町を舞台に、引っ込み思案の風俗嬢とナンバーワンホスト、まったく真逆だった二人の人生が交差して…というのが大枠ですね。このアイデアはどこから?

ギャンパレのキャッチフレーズが「みんなの遊び場」で、ファンの人たちのことを「遊び人」と呼んでいるんですね。それがすごくいいなと思って、ギャンパレを使って「遊び人」を表現するとなったときに浮かんだのが、歌舞伎町を舞台にしたら面白いなというアイデアでした。

ギャンパレのみんなには風俗嬢の女の子たちを演じてもらいます。でも、風俗嬢を描くというよりは、そこで働いている女の子たちが抱えているものについて描いていくつもりなので、ある意味、昔の自分が書いていたような女の子の切実な部分がギャンパレの楽曲と共にミュージカルになる感じです。

——そのナンバーワンホストを演じるのが、磯村勇斗さんです。

磯村さんは画面で見ていると小柄なイメージかなと思っていたら、お会いしてみると背が高くて。スッとしていて真ん中に立つのにピッタリだなって思いました。あとお芝居に対してとても熱い想いを持ってらして。
ご本人もチェレンジ精神をとても持ってらっしゃるので、私もいろんなチャレンジをぶつけていきたいなと。

——風俗店に訪れる客のみなさんも、鳥越裕貴さん、富川一人さん、ブルー&スカイさんと個性的です。

お話を書いていく中でもしかしたら変わっちゃうかもしれないんですけど、今のところブルー&スカイさんには普通のおじさんの役をやってもらおうかなと。技術でおじさんを演じるんじゃなくて、お客さんが「この人、どこから出てきたんだろうね」と思うようなおじさんに出てほしくて。それができるのはブルー&スカイさんしかいないなって。

富川さんは13年前に『屋上の狂人』というお芝居を観て、そのとき書いてた日記に「何この人、超上手い!」って感動して書いてて。(笑)ずっとご一緒したかったんです。しかも、去年の『メタルマクベス〈disc1〉』ではめちゃくちゃ動けていて。動けてお芝居もできる、パワフルさと繊細さの両方を持っている人がほしくて、お願いしました。今のところ、世間では普通の生活を送っているんだけど、実はすごくぶっ飛んだ性的な趣味を持っている人を演じてもらうつもりです()

鳥越さんはずっと昔からうちのお芝居を観に来てくれていて、「いつか出たい」と言ってくれていたんですね。今考えているのは、普段から歌舞伎町によく出入りしている、すごく横暴な感じの結構ゴリゴリのお客さんの役。「風俗に通っている若いお客さん」と言ったときに、みんながイメージするような役を担ってもらおうかと思っています()

昔と比べて、大事なときに体調を崩さなくなりました(笑)

——今年で根本さんの活動も10周年を迎えました。特に2016年の『忍者、女子高生(仮)』を経て、また一人で月刊「根本宗子」として活動するようになって以降は、プロデュース公演も増えたり、活動のフェーズが変わってきた印象を受けます。その中で、根本さん自身が演劇のつくり方の面で感じる変化はありますか?

変化という意味では1作ごとに何かしらあるんですけど、単純に最近の方が俳優を信じてお任せする部分が多くなってきたとは思います。

——それはなぜでしょう?

もともと俳優を信頼はしていたんですけど、信頼する部分が違ったという方が正しいかもしれないです。当時一緒にやっていた劇団員に対しては、私がやったことを100%体現してくれるという信頼があった。だからこそ、作品の全権は私が握って、周りの人たちには私が思い描いたことを体現してもらうことに重きを置いて作品をつくっていました。

でも今はそうじゃなくて、いろんなところから俳優が集まってきて、ひとつの作品をつくっている。それぞれやってきたことも今持っているものもバラバラなので、こっちの物差しだけで1ヶ月間稽古をしてもあんまりいいことはないなって気づいたんです。

そこからは、「私はこう思いますけど、どう思いますか?」って相手のリアクションをすごく聞くようになりました。自分じゃない解釈が入ってくることで、「そっちの方がお客さんに伝わるかな」と思うことも増えたし、人によって感じ方が違うことも今まで以上にわかるようになった。自分の書いた台本の感情の幅を広げる作業ができるようになったかもしれないです。

——では、まだ旗揚げして間もない19歳の頃の自分に今の自分が声をかけるとしたら何て言ってあげたいですか?

何だろう…。(少し考えて)大事なときに体調を崩さなくなったよ、ですかね()

——体調の話ですか(笑)。

昔は本当にひどくて。旗揚げ公演は39度の熱が1週間ある中やったんですね()。それで、かかりつけのお医者さんに診てもらったら「本当に売れたら、ここってときに風邪はひかなくなる。だから今はまだそれぐらいってことだ」って言ってもらって。本当にそうだったなと今さら思いました()

まあ単純にケアの仕方がわかったというか、ここで無理をしすぎるとヤバいぞみたいなことがわかるようになったっていうことなんですけど。

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——総じて大人になったなと。

やりたくないことをはっきり言えるようになりました。おかげで無理をしなくなったし、これをやったら絶対に途中で嫌だってなるようなことは、最初からやらなくなりましたね()

——そういう意味でも、今回の舞台は純粋な「やりたい」がつまった作品なわけですね。

もちろんです。自分がやりたいと発信して実現した企画なので、今からすごく楽しみです!


1 女性歌手、プー・ルイを中心としたアイドルグループ。2010年結成、2014年に解散。後に2016年に再結成し、2019年に解散するが、これを第2期とし、新BiSと呼称される。
2 旧BiSが解散後、プロデューサーの渡辺淳之介によって設立された音楽プロダクション。BiSHGANG PARADEなどが所属している。



文:横川良明
写真:吉田耕一郎

PARCOプロデュース
「プレイハウス」

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【日程】2019年8月25日 (日) ~2019年9月1日 (日) 
【会場】東京芸術劇場 プレイハウス
【作・演出】根本宗子
【音楽】GANG PARADE
【出演】
GANG PARADE
(カミヤサキ/ヤママチミキ/ユメノユア/キャン・GP・マイカ/ユイ・ガ・ドクソン/ココ・パーティン・ココ/テラシマユウカ/ハルナ・バッ・チーン/月ノウサギ/ナルハワールド)
磯村勇斗
栗原類 鳥越裕貴 富川一人 ブルー&スカイ 猫背椿