2017年1月に勢いで生まれた「トンダカラ」の第1回公演。わずかな準備期間しかなかった公演だったが、その完成度に、来場者の多くが声を上げて涙した。その「トンダカラ」待望の第2回公演が、4月2日から、コフレリオ新宿シアターにか開幕する。
帝国劇場・日生劇場・明治座などの舞台で活躍する原田優一と、俳優座・三越劇場・新国立劇場などの舞台で活躍する鯨井康介。共に、大劇場でしか見られない俳優の二人が、小劇場で見られる。


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「トンダカラ」

原田優一(以下、原田):二人のやりたいことを
   「あーでもこーでもない」と言い合い、
   高木稟さんと相談しながら作ってます。
   全体で80分くらいで、二人で話し続ける会話劇になってます。
   二人ともほとんど出づっぱりになりそうですね。

ーーー普通なら5~6人の芝居の分量ですね(台本見ながら)

原田:オムニバスやってみようか、とか考えましたが、
   今回はハートフルコメディです。
   100人キャパの劇場ですので、マイクを使うわけではありません。
   我々がこの規模でやる機会はほとんどないですね。
   劇場も自分達でおさえました。
   細かい制作部分はお願いしましたが、出演者兼プロデューサーとして、
   会場も含めて全て二人で決めて進めています。

ーーー会場には、何か思い入れが?

鯨井康介(以下、鯨井):初めて使う劇場ですね。
   前回が同じくらいの大きさだったので、同等規模の小屋を探してました。
原田:鯨ちゃんが見つけてくれたんだよね。
鯨井:いつも急に決めてしまうので、基本的に小屋探しが大変なんです。
   偶然希望通りの小屋が空いていたので、良かったですね。
原田:生声が届く距離で、身一つでやれる小屋を希望してました。
   ピアノは、いつもお願いしてるYUKAさんに生演奏をお願いしてます。
   「音楽」と書いてありますが、今回はドストレートの80分の演劇。
   歌は歌いませんが、YUKAさんが音を入れてくださいます。
   音楽の力はとても強いと思ってます。

   ・・・そして、これはついさっき決まったのですが、
   平日(4月4日・5日・8日・9日)の14時公演限定で、
   ミニライブがつきます!
   ソフィアテイラー(原田優一)のミニライブが、本編終了後につきます!

ーーーその世界観のまま味わえるライブという事ですね

原田:そうです。
   平日14時の回限定、お値段据え置きなので、ぜひ!

二人で作る楽しさ


ーーー二人で作っている公演ならではのポイントとは?

原田:第一回は、飲み会で「やりたいね」って言ってから
   三か月後だったんですけど
鯨井:公演を打つまでが、ですよ。
原田:たまたまお互い三か月後のスケジュールが空いてたんです。
   短い期間だったので、チラシ作りから、小屋をおさえる事から、何から、
   全部自分でやるしかなかったが、
   (今回はお休みですが)登米裕一さんがその話に乗ってくれて
   「トンダカラ」というチームが産まれた。
   こんなに短い期間で全て作り上げたのは初めて(笑)
   お客様の中では、小さな劇場でお芝居を見る事がないお客様も
   多かったので、すごく好評でした。
   「第二回は年内にやりたいね」って言いながら
   二年空いてしまってごめんなさい(笑)
鯨井:基本的に、自分達の仕事は「作品に呼んで頂いて、それに沿う事」だが、
   こういう空気感、自分達がやりたいこと、あの映画が好き、とか、
   自分達の好みを共有して作り上げられたのが、
   お客様にも伝わったのかもしれない。

ーーーでは、お二人の好みが思いっきり反映されている公演なんですね

鯨井:「今の旬」が、反映されている感覚ですね。
   今、僕らが「こういうのって楽しいよね」と思っている事を
   話しながら作ってます。
   日常会話の延長から生まれている感じですね。
   独特な作り方なのかな、って思います。
原田:我々二人とも埼玉県人なのですが、第一回が生まれたのも
   「海へ行く・・・ってどうかなぁ」から始まったんですよ(笑)
鯨井:やはり僕らは海に対する
   異様な「こだわり」や「恐れ」がありますね(笑)
原田:そうなんですよ。僕も憧れがあって、
   一度海の近くに住んだことがあります(笑)
   嬉しかったのが、第一回が、海を見て終わる作品だったのですが、
   お客様から「海が見えました」という感想を頂いて、
   すごく嬉しかったです。
   本当に狭い劇場だったので、泣き声もすごく聞こえてきて。
鯨井:がふっ!って言ってましたもんね。
   リピーターさんなんか、全然早いタイミングで泣いちゃったりして(笑)
原田:第一回は、記憶喪失の話で、照明がつく度に
   セリフを1から繰り返す構造だったんですけど、
   それは全部嘘で、実は全部覚えていて、実際には部屋から出ていなくて、
   二人の想像のお話だったんですが・・・
   最後、こっち(鯨井)が死んじゃうんですが、
   そこで皆さん泣いちゃうんです。
   今回は打って変わって、ハートフルコメディなんですが、
   これ(赤ちゃんの人形)をめぐっての、ドタバタを繰り広げます(笑)

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ーーーさっきから気になってました(笑)

鯨井:実は今回、前回と繋がっている部分がありまして、
   ダニーとタイラーという役名は前回と同じだったり、
   第一回にも登場した地名が登場します。
原田:なお、まっっったく無関係です(笑)
鯨井:第一回公演を見た方は「おっ?」と思うかもしれませんが、
   何も意味がありません(笑)
原田:なので、第一回を見ていなくても、まったく問題ございません(笑)

ーーー今回のチケット代、普段見ているお客様からしたら半額以下ですよね?

原田:そうですね。頑張らせていただきました。
鯨井:大きな会場での作品に来てくださっている方からすると
   3分の1くらいでしょうね。
原田:それと今回、チケットの代わりに「ラバーバンド」を用意してます。
   毎公演違う色のバンドを、全員にプレゼントいたします!
   今回は青公演、明日は赤公演、といった形ですね。
鯨井:作品には関係無いんですけどね(笑)

ーーー今回、チラシのビジュアルもカラフルですよね

原田:この「カラフル」というのは、物語に関わってきます。

ーーー小劇場でオリジナルのラバーバンドがもらえるなんて、贅沢ですね。音楽フェスみたいですね

原田:そうなんですよ。
   後半にいくに連れて、様々な色のバンドを
   ジャラジャラと付けてきてくれたら、嬉しいですね!
   あと当日は、台本と、
   演出の高木稟さんとのスリーショット写真を販売します。
   台本について、前回はネタバレ要素があったので、
   後で読み返せるように、という事でしたが、
   今回は我々の思いが詰まった作品なので、
   それをお届けしたい、という思いですね。
   さらに、販売も、僕らが売り子に立ちます。
   公演前に関しても、僕らがお席の誘導をします(笑)
   そこから、ぬるっとお芝居に入れたら面白いかな、と。
   全て自分たちでやってる事を活かせたらいいな、と思ってます。
   役者をやる上でも、裏を知って、
   自分でやってみるというのは良い事だと思ってます。
   作品に対しての愛情も変わってきますからね。
   稽古の様子など、ぜひTwitterをチェックしていただければと思います。

二人の相性と、稽古について


鯨井:毎日この稽古場でやってます。
   準備運動もしないし、着替えもしないし、
   30分くらいお茶してから始まります(笑)
原田:言いたい事が言える環境というのは良いですね。
   いつもは、作り手か、演じる側のどちらかになってしまうんですよね。
   もしくは前回出演した「歌会」のように、ブイの先端となって、
   メンバーを導く役割をする事もあります。
   でも、今回は相談しながら進めていける。
   作っていても、鯨ちゃんの意見もきちんと聞きながらやるし、
   1人で「こっちに行こう!」と言う事はない。
   これは、いつもと大きく違う部分ですね。
鯨井:僕も同じ感覚ですね。普段とは違います。二人で作っている感覚ですね。

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ーーーそれだけ相性の合う方と出会えたというのが凄いですね

原田:それはありますね。
   たまに、意見が合いすぎて、周りを置いて
   突き進んでしまう事もありますけどね(笑)
   意見が割れても、どんな形が良いか、話しながら進めていけます。
   これは、コラボレーションの良さだと思いますね。
鯨井:この人(原田さん)がすごいしっかりした人なので、
   僕が何か投げると、翌日にはそれをまとめて来てくれるんですよ。
   これがあるので、楽ですね(笑)

ーーー仕事ができる、というやつですね。

鯨井:そうですそうです。
   こっちは楽にやらせてもらえていますよ。
   それについて原田さんが嫌な感じでとらえていないとすれば、
   バランスが良いのだと思います。
原田:鯨ちゃんはアイデアマンなんですよ。
   僕が思いつきもしないアイデアを出してくれるんです。
   アイデアを出してもらって、僕がまとめる。
   でも僕はイケイケドンドンなので、
   たまに「やっちゃえ!」と進んでしまうところを、
   鯨ちゃんに止めてもらってます。
鯨井:あー、そうなんです。

(一同、笑)

鯨井:大船に乗った気でいるのは良いのですが、
   その大船が大きすぎて驚かされる事があるんです。
原田:タイタニック!!みたいなね(笑)


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鯨井:そうそう(笑)
   「だから、100人の小屋だっつったべ??」とツッコむ事がありますね。
   タイタニックの規模なので、当然、乗ってて安心ではあるんですけど、
   あまりの大きさに驚きます(笑)
原田:第一回公演の時に、1日3回公演をやった事もあります。
鯨井:ありましたね。レイトショー。
原田:なかなか、日本には生モノの芝居のレイトショーって
   無いと思うんですよ。
   土曜日だったし、
   「21時からやったら入るんじゃね?」って思いついちゃって。
   で、やったら、入ったんですよ。
鯨井:沢山来てくれましたね。
   21時なら、しっかり仕事した後でも間に合いますしね。
   意外と19時でも間に合わないんですー、って言われる事もあったので、
   告知も公演の10日前くらいだったのに、沢山来てくださいました。
原田:だから今回も、ステージ数けっこう詰めたんですよ。
鯨井:頭おかしいな、と思いました(笑)
原田:最初、4月3日の昼公演もありましたからね。
   ゲネやって、夜公演やった後、1週間全部2回公演(笑)
鯨井:この人(原田さん)、普段やってる公演の公演数が多いので、
   感覚がオカしいんですよ(笑)
原田:この間の「マリーアントワネット」は120回ありましたからね
鯨井:それ明けで打合せしちゃったので、感覚がおかしかったんですよね。
原田:「いけると思う」(その時の現場を再現)
鯨井:「いや、いけないと思う。二人でやるんだよ?」

(一同、笑)

鯨井:とは言っても、80分の公演ですし、
   何回見てもらっても、楽しいと思います。

「自分でやる事」に対しての敬意


ーーーでは最後に、推しのポイントなどありますか?

原田:男性同士の関係性って、色々な種類があると思うんですけど、
   友人、家族、同僚・・・
   そこらへんが、全部合わさった関係になったかな、と思います。
   女性って、そういうのに弱いと思うんですよ。
   男性同士の、特別な関係性。入っていけない絆、みたいなもの。
   複雑なようで、シンプルなようで、深い。
   二人芝居ならではのものが出せていると思います。
   それを、ぜひ間近で見てもらいたいです。
   そして、80分間の二人芝居というのは、緊張感もありますが、
   二人だからこそ出せる緩い感じもあると思います。
   そこの狭間で、大劇場では味わえない不思議な感覚を
   体験してもらいたいです。
   大劇場でのお芝居は、大きな変化があっても、波風がたっても、
   あくまでもレールの上で進む安心感がありますよね。
   でも、小劇場の芝居は、
   ちょっとした波風で転覆してしまうスリルがあります。
   そこが、小劇場にハマッてしまう要素なんだろうなぁ、と思います。
   ぜひ、二人の繊細な生の空気を感じて頂きたいな、と思います。

ーーーそれは、お二人の「役」と「素」の間、という意味でも当てはまりますか?

原田:そうですね。
   どっから素だったっけ?と思える感じだと思います。
   どっから役に入ったかも、楽しめると思います。
鯨井:僕たち、ずっといるしね。
   楽屋にはほぼいないです。
原田:こんな経験、僕らもなかなか無いです。
   僕らは、格闘技が好きなのですが、
   プロレスラーって自分で物販に立つんですよ。
   そこに、感銘を受けました。
   「役者も自分で売れや!」と思い、自分でやろうと思いました。
鯨井:プロレスラーに対しての敬意、ですね。
原田:彼らはリングの設営からやりますからね。
鯨井:とにかく、楽な気持ちで、楽に来て、楽に帰ってほしいです。
   なんなら、ポップコーン売りたいくらいですもん。
原田:そうだね。帰宅途中にふらっと来てほしいですね。
鯨井:ふらっと来て、ふらっと見て、ふとした時に思い出す。
   それくらいの感覚で良いんです。
   実際に許されるなら、ポップコーンとコーラを片手に、
   大声あげて見て欲しいですね。
原田:あそこ、ポップコーン食べちゃダメなのかな?
制作:調べます(メモる)

  (しばらく、お金に関する書けない話が続き、インタビューは終了)


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【チケット詳細】

『トンダカラ 2nd flight』

【作・演出】高木稟
【音楽】YUKA
【出演】原田優一・鯨井康介
【演奏】YUKA(4月6日以外全公演)・大西さやか(4月6日のみ)
【美術・舞台監督】下重卓哉
【照明】鈴木健司(株式会社ルポ)
【音響】天野高志(株式会社レゾン)
【宣伝デザイン】heloc
【制作】田中理恵


-公演日程
公演日:2019年4月2日(火)~9日(火) コフレリオ新宿シアター

-チケット販売中!
https://ticket.line.me/events/1611

-公式Twitter
https://twitter.com/tondakara111

-
Youtube トンダカラチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCLv4VX6ABYc_C-_aGac-Hgw

『トンダカラ』ビジュアル