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 AKB48×劇団鹿殺し×コンドルズ、国民的アイドルと実力派演劇集団と世界をまたにかけて活躍するダンスチーム、という異色の組み合わせで、この春、再演される舞台『山犬』。




「同窓会の前日に届いた一通の手紙。しかし、誰もその名前に記憶がない。10年ぶりに再会した『元コーラス部』の生徒たちと先生は、手紙に導かれてタイムカプセルを掘るため、学校の裏山へと向かう。……」

(引用:舞台「山犬」公式サイト)


 6人のキャストで人間の極限状態と純愛を描くこの監禁劇。2006年、2014年に上演され、今回の上演では、メインキャストの男女逆転、そして「コーラス部」という設定が新たに加わる。

 キャストの男女が入れ変わることで、舞台はどのように変化するのか? 劇団鹿殺し代表・丸尾丸一郎、出演するAKB48・岩立沙穂、2014年版で同じ役柄を演じた芸人・鳥肌実の3名に話を聞いた。

新旧の主役2人、岩立沙穂と鳥肌実が対面!

——キャストの男女逆転というのは?

丸尾:これまでの上演では、女性教師×男子生徒という構図で、10年前の些細な出来事がきっかけになって事件が起きるという物語でした。今回はその逆で、メインとなる登場人物は男性教師と女子生徒。

もしかしたら、男性よりも女性が演じるほうが、昔の小さな感情の動きが根深く残っていることに、リアリティが出るかなって。

——ポスタービジュアルは、少しおどろおどろしいですね。

丸尾:みんなの想像を裏切りたいと思ったんですよ。「普段アイドルとして活動している彼女たちの顔や素材をいつもと違う風に活かすには、どうしたらいいだろう?」って、ヘアメイクやカメラマンと相談して作っていきました。


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——同じ役を演じる岩立さんと鳥肌さんは、ずいぶん印象の異なるお二人ですが、どういう役柄なんでしょう?

丸尾:最後は救いに見えるような、1番純粋で、綺麗な心を持っている役です。

台本を書きながら、AKB48の他の2人(太田奈緒・谷口めぐ)には「こう演じてほしい」っていうのがある程度見えているんですけど、沙穂(岩立)だけは、まだ僕も正解が見えていないというか。話しながら一緒に作っていこうと思っていて。どんな風になっていくのか楽しみな役ですね。

岩立沙穂(以下、岩立):この物語のキーマンだと思うので、一挙一動に注目していただきたいです。初めて台本を読んだとき、自分でもどんな表情で演じたらいいか分からない部分も多くて。だからこそ、本番はお客さんにしっかり“顔”を見てほしい!

丸尾:沙穂は、AKBグループの舞台『マジムリ学園』のときに出会ったんですけど、すごいヤンキーの役だったんですよ。普段どんな子なんだろう? って思ってたら、意外とおとなしい子なんで(笑)。普段の沙穂を取っ払って役づくりに取り組んでくれるから、何色にも染まるイメージがあるんですよね。いい意味でまだ染まってない。

あんまり美しくて、華があると成立しない役なので、どう汚していこうかと思ってますね。

岩立:え! 私、AKB48の中でも“ザ・普通”みたいな人じゃない?

鳥肌実(以下、鳥肌):いやいや、そんなことないですよ。この役は、丸尾さんが彼女(岩立)の魅力をどう削ぎ落としていくかですよ!

——
鳥肌さんは2014年に演じられてみて、いかがでしたか?

鳥肌:僕の場合、不器用だし、下手な演技をするよりは、とにかくその世界に没頭するべきだと思ってやっていました。薄っぺらい演技なんかしたって、丸尾さんにはすぐ見抜かれてしまいますから。とにかく集中、コンセントレーション(精神集中)ですね。トム・ハンクスも、そう言ってましたので。

丸尾:鳥肌さんは、最初の読み合わせから抜群におもしろかったんですよ! 「正解」の読み方をするというか。でもやるたびに慣れがでてしまったのか、最初が1番よかった(笑)。

鳥肌:自覚はあるんですよ。ピン芸人は、好きなところに立って喋っていればいいんですけど、役者っていうのは、立ち位置とか出ハケのタイミングとかあるでしょ? そういうことに神経をすり減らしていると、演技に集中できないんですよ! 

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——なるほど(笑)。岩立さんは普段、AKBの舞台に立ってらっしゃるから。

岩立:確かに、立ち位置とか出ハケとかは、ライブでも必要ですね(笑)。

丸尾:AKBの子、みんなめちゃくちゃ覚えるの早いんですよ。 

鳥肌:岩立さんは、普段グループでお仕事されてるから……。私は常に1人。だから立ち位置問題にほぼ1ヶ月を費やしました。私は朗読劇とかが向いてるかもしれない。

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——岩立さんはかなりアドバンテージがありますね(笑)。

岩立:でも、私は読み合わせの段階でそこまでいけないと思うので! そういう意味では、私はどこに苦戦するか分からないですけど、細かい演技のほうに集中できたらいいなって思います(笑)。

鳥肌:稽古期間のはじめに、初演(2006年版)のビデオを観せていただいたんですけど、それがまあ、素晴らしかったんですよ。もう衝撃的で、「これを自分がやるのか」と色々考えさせられましたけどね。

丸尾さんに「これはこれで、鳥肌さんは鳥肌さん独自の全然ちがうものを考えているので」と言ってもらえたのもあって、やるからには初演を超えたいという気持ちだけでした。次は3回目なので、岩立さんは私のときよりもっと大変だと思うんですけど。

岩立:そうですね……。もちろん不安も多いんですけど、楽しみです! 言動がちぐはぐなところが多い役なので、これから丸尾さんとたくさん話し合って作っていきたいですね。

舞台『山犬』の見どころ

——では最後に、『山犬』の見どころを教えてください!

丸尾:逃げられない環境下で、自分自身や仲間との思い出をかえりみたとき、人間として一番最後に残るものはなんなのか。たった6人だけで、どんどん人間の深みに入っていくところが、とにかく『山犬』の醍醐味だと思うんですね。

この作品のキーワードに、「だれもが間接的に人を殺してしまっているかもしれない」というのがあって。もっと「愛」を持って生きなきゃいけないなと気づく……って言うとおこがましいかもしれないけど、そういうものを感じて劇場を後にしてもらえたらなと思います。

——「愛」を持って。

丸尾:自分がもしかしたら、愛のない行為をしているんじゃないかな、とかね。

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【チケット詳細】

劇団鹿殺し「山犬」

◯東京公演
サンシャイン劇場
2019年2月27日 (水) ~2019年3月3日 (日)
◯大阪公演
ABCホール
2019年3月6日 (水) ~2019年3月10日 (日)

脚本・演出: 丸尾丸一郎(劇団鹿殺し) 
原案: 入交星士
音楽: オレノグラフィティ

【出演】
岩立沙穂(AKB48 TeamB) / 太田奈緒(AKB48 Team8) / 谷口めぐ(AKB48 TeamB) / 山本光二郎(コンドルズ) / オレノグラフィティ(劇団鹿殺し) / 丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)